スセリの花冠
入院していた時は諦めていた。
でも今は恐い。ううん、死が恐いんじゃない。
ディアランと離れるのが恐いんだ。
彼に触れられないなんて嫌。
あの声、あの綺麗な瞳を見つめられなくなるのが恐い。
愛世は自分を抱き締めると、声を殺して泣いた。
****
どれくらいそうしていただろう。
しばらく泣いていたが、愛世はゆっくりと顔をあげると空を仰いだ。
沈みゆく太陽が辺りを赤く染め、今日をなし終えようとしている。
日は沈み、また明くる朝、昇る。
泣こうが叫ぼうが、それはずっと変わらない。
そう思うとなんだか立ち止まっている時間が勿体無く思え、愛世は大きく息をついた。
いつの間にか涙は止まっている。
…人間っていくら悲しくても、泣き気続けるなんて出来ないのね。
愛世は頬に残る涙を拭うと立ち上がった。
よく考えたら、泣いている暇なんてない。
だって私にはもう時間がないんだもの。
そうよ。最後の最後まで精一杯生きよう。
愛世は再び深呼吸をすると、目指す方向へと歩き出した。
でも今は恐い。ううん、死が恐いんじゃない。
ディアランと離れるのが恐いんだ。
彼に触れられないなんて嫌。
あの声、あの綺麗な瞳を見つめられなくなるのが恐い。
愛世は自分を抱き締めると、声を殺して泣いた。
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どれくらいそうしていただろう。
しばらく泣いていたが、愛世はゆっくりと顔をあげると空を仰いだ。
沈みゆく太陽が辺りを赤く染め、今日をなし終えようとしている。
日は沈み、また明くる朝、昇る。
泣こうが叫ぼうが、それはずっと変わらない。
そう思うとなんだか立ち止まっている時間が勿体無く思え、愛世は大きく息をついた。
いつの間にか涙は止まっている。
…人間っていくら悲しくても、泣き気続けるなんて出来ないのね。
愛世は頬に残る涙を拭うと立ち上がった。
よく考えたら、泣いている暇なんてない。
だって私にはもう時間がないんだもの。
そうよ。最後の最後まで精一杯生きよう。
愛世は再び深呼吸をすると、目指す方向へと歩き出した。