スセリの花冠
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「いつまで寝てるんだ!ふたりとも、起きろ!!」
アルファスはディアランの寝室の窓の幕を愛剣ザリンダルの柄で押し開き、眩しい光をふたりに浴びせた。
「アルフ…?」
射し込んだ朝日に顔をしかめながらディアランが起き上がると、愛世もつられて身を起こした。
太陽に負けないくらいの輝きを身にまとったアルファスが、憮然としてこちらを見下ろしている。
「おはよう…アルファス」
…いつの間にか寝ちゃったんだわ、私。
隣で気だるげに髪をかき上げるディアランに申し訳なく思い、愛世は慌てて彼を見上げた。
「ごめんね、ディアラン。疲れてるのに夜中に押し掛けて寝台を半分奪っちゃって…」
するとディアランが、そんな愛世に優しく微笑む。
「いいんだ。俺も嬉かっ…」
「そんな話は二人きりの時にしろ!!」
アルファスがザリンダルで床をガツンと鳴らし、ディアランの言葉を遮る。
たちまち甘い雰囲気は消し飛び、ふたりは寝台の上で身を正した。
それを見たアルファスは苛立たしげに息をつくと、ふたりを真正面から見下ろし唇を開く。
「ディアランは知っているだろうが、今晩ドロス神への礼祭の儀を執り行う。アイセ。必ず出席しろ。悪鬼から国を守ったお前がいなきゃしまらないからな。夕方、巫女が部屋へ迎えに行く。そのつもりでいろ」
「いつまで寝てるんだ!ふたりとも、起きろ!!」
アルファスはディアランの寝室の窓の幕を愛剣ザリンダルの柄で押し開き、眩しい光をふたりに浴びせた。
「アルフ…?」
射し込んだ朝日に顔をしかめながらディアランが起き上がると、愛世もつられて身を起こした。
太陽に負けないくらいの輝きを身にまとったアルファスが、憮然としてこちらを見下ろしている。
「おはよう…アルファス」
…いつの間にか寝ちゃったんだわ、私。
隣で気だるげに髪をかき上げるディアランに申し訳なく思い、愛世は慌てて彼を見上げた。
「ごめんね、ディアラン。疲れてるのに夜中に押し掛けて寝台を半分奪っちゃって…」
するとディアランが、そんな愛世に優しく微笑む。
「いいんだ。俺も嬉かっ…」
「そんな話は二人きりの時にしろ!!」
アルファスがザリンダルで床をガツンと鳴らし、ディアランの言葉を遮る。
たちまち甘い雰囲気は消し飛び、ふたりは寝台の上で身を正した。
それを見たアルファスは苛立たしげに息をつくと、ふたりを真正面から見下ろし唇を開く。
「ディアランは知っているだろうが、今晩ドロス神への礼祭の儀を執り行う。アイセ。必ず出席しろ。悪鬼から国を守ったお前がいなきゃしまらないからな。夕方、巫女が部屋へ迎えに行く。そのつもりでいろ」