スセリの花冠
「うん。この国にもなにか私に出来る事があるかも知れないもの。しっかり働くわ」
ディアランは少し呆れて、笑いながら首を横に振った。
「ダメだ」
たちまち愛世が首をかしげた。
「……どうして?」
どうしてって…ダメに決まってるじゃないか。
ディアランは愛世を、自分以外の男の眼にさらしたくないのだ。
だがそう言うと気持ちがバレる。それではこちらが不利になる。
ディアランは言わせたいのだ。
愛世に「愛している」と。
……してやる。
愛世を、このディアランの虜に。
****
「出来るだけ早く帰るよ」
「分かった」
ディアランは山賊討伐の勝利を祝う宴に出席しなければならず、愛世にこう言い残すと屋敷をあとにした。
残された愛世はひとりで夕食をとり風呂に入ったものの、時間をもて余していた。
……どうしよう。眠れない。……散歩にでも行こうかしら。
愛世は思いきって部屋を出ると、屋敷の外を目指した。
「素敵……!」
ディアランの屋敷のまわりには手入れされた庭園が広がり、遊歩道や池があった。
しかも蜂蜜色のランプが方々の木々に下げられており、なんとも幻想的で美しい。
「今日は満月なのね」
ディアランは少し呆れて、笑いながら首を横に振った。
「ダメだ」
たちまち愛世が首をかしげた。
「……どうして?」
どうしてって…ダメに決まってるじゃないか。
ディアランは愛世を、自分以外の男の眼にさらしたくないのだ。
だがそう言うと気持ちがバレる。それではこちらが不利になる。
ディアランは言わせたいのだ。
愛世に「愛している」と。
……してやる。
愛世を、このディアランの虜に。
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「出来るだけ早く帰るよ」
「分かった」
ディアランは山賊討伐の勝利を祝う宴に出席しなければならず、愛世にこう言い残すと屋敷をあとにした。
残された愛世はひとりで夕食をとり風呂に入ったものの、時間をもて余していた。
……どうしよう。眠れない。……散歩にでも行こうかしら。
愛世は思いきって部屋を出ると、屋敷の外を目指した。
「素敵……!」
ディアランの屋敷のまわりには手入れされた庭園が広がり、遊歩道や池があった。
しかも蜂蜜色のランプが方々の木々に下げられており、なんとも幻想的で美しい。
「今日は満月なのね」