スセリの花冠
「ばか、ディアラン様に叱られるだろうが!」
言い終えるとセロは、太陽のように明るく笑った。
「今日、ディアラン様はやたらと俺をジロジロ見るんだ」
ギクッとして愛世は思わずセロから眼をそらし、
「き、気のせいよ」
「そうか?」
「そうよ、きっと気のせい。じゃあね、セロ!またね!」
愛世はもう一度セロにお礼を言ってその場を後にすると、受け取った靴に視線を落とす。
自分では探しに行けなかった靴をセロに取ってきてもらったのだ。
愛世はもう二度とアルファスと出くわしたくなかった。
一方アルファスは愛世が必ず靴を取りに来ると思い、見つけたそれをちょっと探せば分かる場所に置き、離れた所で待っていた。
その間に自問自答を繰り返す。
…俺は、どうしてあの女に逢いたいんだ?
懺悔の気持ちを示したいからか、あるいは弁解したいからなのか。
とにかく愛世に会いたいということだけは確かだった。
*
夕方頃であった。
ひとりの男が下をキョロキョロしながらやって来て、愛世の靴を見つけると拾い上げた。
……あのマント……近衛兵だ。
アルファスは近衛兵に気付かれない距離を保ち、後をつけた。
そして……。
言い終えるとセロは、太陽のように明るく笑った。
「今日、ディアラン様はやたらと俺をジロジロ見るんだ」
ギクッとして愛世は思わずセロから眼をそらし、
「き、気のせいよ」
「そうか?」
「そうよ、きっと気のせい。じゃあね、セロ!またね!」
愛世はもう一度セロにお礼を言ってその場を後にすると、受け取った靴に視線を落とす。
自分では探しに行けなかった靴をセロに取ってきてもらったのだ。
愛世はもう二度とアルファスと出くわしたくなかった。
一方アルファスは愛世が必ず靴を取りに来ると思い、見つけたそれをちょっと探せば分かる場所に置き、離れた所で待っていた。
その間に自問自答を繰り返す。
…俺は、どうしてあの女に逢いたいんだ?
懺悔の気持ちを示したいからか、あるいは弁解したいからなのか。
とにかく愛世に会いたいということだけは確かだった。
*
夕方頃であった。
ひとりの男が下をキョロキョロしながらやって来て、愛世の靴を見つけると拾い上げた。
……あのマント……近衛兵だ。
アルファスは近衛兵に気付かれない距離を保ち、後をつけた。
そして……。