スセリの花冠
第二章
近衛兵隊長ディアラン
****
「ディアラン様、この娘は…?」
「さあ、分からん」
近衛兵第一番隊隊長であるディアランは、見慣れぬ服を来た女を見つけた。
女はうつ伏せに倒れており、剣の柄でつついてみても反応がない。
「山賊の仲間でしょうか」
「……いや、恐らく違うだろう」
ここ数日、ディアランの部隊は山賊狩りの真っ最中である。
アルドの森から降りてきては略奪を繰り返す山賊達に、ティオリーン帝国の民が脅かされているのだ。
「所持品を調べる」
ディアランは馬から降りると女を仰向けにして上半身を支え起こした。
……。
薄紅色の頬に乱れてかかる黒髪と、長い睫毛が神秘的である。
ディアランは久々にドキッとした。
抱きかかえた身体はほっそりとしていて白く、それでいて豊かな胸と締まった腰元が何とも悩ましい。
……一体何者なんだ、この女は…。
下層民か?
……いや。着ている物は見たこともない形だが、上質に違いない。
となればどこかの貴族の娘か、富裕層のお抱え娼婦か……?
ディアランは、正体不明の美しい女から眼が離せず、抱きかかえた彼女の顔をただただ見つめ続けた。
「あ、あの、ディアラン隊長。いかがされますか?」
「ディアラン様、この娘は…?」
「さあ、分からん」
近衛兵第一番隊隊長であるディアランは、見慣れぬ服を来た女を見つけた。
女はうつ伏せに倒れており、剣の柄でつついてみても反応がない。
「山賊の仲間でしょうか」
「……いや、恐らく違うだろう」
ここ数日、ディアランの部隊は山賊狩りの真っ最中である。
アルドの森から降りてきては略奪を繰り返す山賊達に、ティオリーン帝国の民が脅かされているのだ。
「所持品を調べる」
ディアランは馬から降りると女を仰向けにして上半身を支え起こした。
……。
薄紅色の頬に乱れてかかる黒髪と、長い睫毛が神秘的である。
ディアランは久々にドキッとした。
抱きかかえた身体はほっそりとしていて白く、それでいて豊かな胸と締まった腰元が何とも悩ましい。
……一体何者なんだ、この女は…。
下層民か?
……いや。着ている物は見たこともない形だが、上質に違いない。
となればどこかの貴族の娘か、富裕層のお抱え娼婦か……?
ディアランは、正体不明の美しい女から眼が離せず、抱きかかえた彼女の顔をただただ見つめ続けた。
「あ、あの、ディアラン隊長。いかがされますか?」