スセリの花冠
「な、なに?一体どうしたの?」
愛世がアルファスの迫力に怯えながらそう言うと彼はしばらく視線を空にさ迷わせていたが、やがて壁を指差して唇を開いた。
「俺の継承記念日にこれを着ろ」
「……え?」
その壁には、いつかアルファスが無理矢理置いていった服が掛けられてあった。
淡いピンクに染め上げた絹のドレスは、シンプルで洗礼された美しさがある。
「で、でも、あの…」
「靴も持ってきた」
靴も…?
「なんとか言え」
アルファスは苛立たしげに黄金色の瞳を瞬かせて愛世を見下ろす。
「アルファス、何か怒ってるの?」
驚きのあまり丸くなった愛世の眼が、まっすぐにアルファスを捉える。
その漆黒の瞳に、アルファスの胸が音をたてた。
ダメだ、俺は……!
堪らずアルファスは早急に愛世を引き寄せ、強引に胸に抱いた。
「怒ってない、そうじゃないんだ」
愛世は心臓が飛び出そうになって眼を見開いた。
たちまち、全身がカアッと熱くなる。
ディアランに同じことをされても恥ずかしいと言うよりは安心する。
なのにアルファスにされると…どうしてこんなに恥ずかしいの!?
愛世は混乱のあまり満足に息も出来ず、ただアルファスを盗み見るしかなかった。
愛世がアルファスの迫力に怯えながらそう言うと彼はしばらく視線を空にさ迷わせていたが、やがて壁を指差して唇を開いた。
「俺の継承記念日にこれを着ろ」
「……え?」
その壁には、いつかアルファスが無理矢理置いていった服が掛けられてあった。
淡いピンクに染め上げた絹のドレスは、シンプルで洗礼された美しさがある。
「で、でも、あの…」
「靴も持ってきた」
靴も…?
「なんとか言え」
アルファスは苛立たしげに黄金色の瞳を瞬かせて愛世を見下ろす。
「アルファス、何か怒ってるの?」
驚きのあまり丸くなった愛世の眼が、まっすぐにアルファスを捉える。
その漆黒の瞳に、アルファスの胸が音をたてた。
ダメだ、俺は……!
堪らずアルファスは早急に愛世を引き寄せ、強引に胸に抱いた。
「怒ってない、そうじゃないんだ」
愛世は心臓が飛び出そうになって眼を見開いた。
たちまち、全身がカアッと熱くなる。
ディアランに同じことをされても恥ずかしいと言うよりは安心する。
なのにアルファスにされると…どうしてこんなに恥ずかしいの!?
愛世は混乱のあまり満足に息も出来ず、ただアルファスを盗み見るしかなかった。