シローせんぱいのこと。
「ちょっと前までこの格好でも全然平気だったんだけどねー……もう冬ってことだね」
「ですね。あっという間にクリスマスでお正月です」
閉めた窓の外の枯葉をみて、シローせんぱいは目を細める。
「……3学期になったら学校も来なくなるんだよね。つまんない」
「3年生は自由登校ですもんね。あれ、そういえばシローせんぱいって進路……」
「一応進学。やりたいこととかまだわかんないから、興味ある大学行って探そうかなって」
進学……。
いつも自由なシローせんぱいが、意外ときちんと決めていた進路。そのことに驚きながら考えた。
進学、大学に行くということは年が明けてすぐ入試。当然そこからまともに学校にもこなくなるから、こうしてふたりでいられる時間も、なくなる。