シローせんぱいのこと。
「あっ、そういえばせんぱいのおともだちの……宮田先輩、でしたっけ。にもお礼を言っておいてください!」
「宮田?なんで」
「ノート、きちんと届けてくれていたので。先生も『なんで3年生が!?』ってびっくりしてましたけど」
えへへ、と笑う私に対し、シローせんぱいは『お礼なんて言いたくない』とでも言うかのように不満げな顔をする。
それはたぶん、あの時宮田先輩が笑ったことに対してのイラつきとかいろいろな気持ちのせいだろう。
たしかに恥ずかしかったけど、宮田先輩はノートもちゃんと届けてくれていたし……。
シローせんぱいのともだちなら、きっと悪い人ではないんだろうって思うから。
「笑っちゃっても仕方ないですよ、わたしの鼻血姿たしかにおもしろかったですもん。だから、ちゃんとありがとうって伝えてくださいねっ」
笑って言ったわたしに、シローせんぱいは少しおどろいて、ふっと笑った。