シローせんぱいのこと。









「……おかしい」

「へ?なにが?」



あれから日から、3日。

お昼休みの教室で机を合わせて一緒にごはんを食べていると、目の前のあっちゃんは眉間にシワを寄せて何とも言えない顔をする。



「だって今までお昼になる度に教室飛び出してたえなが、もう3日も私とご飯食べてるんだよ!?なにかあった!?どうかした!?大丈夫!?」

「あはは、大丈夫だよー」



熱でもあるんじゃないかと額にふれるものの、私の体温はもちろん平熱。どこも悪くないし、いたって普通だ。

まぁ、そういう反応にもなっちゃうよね。



「ねぇ、えな……もしかして、フラれた?」

「ううん」

「じゃあなんで?シロー先輩のこともう飽きた?」

「あはは、飽きるわけなんてないよー」



あっちゃんが心配してしまうのもそのはず。
わたしはあれから、一度もシローせんぱいのところに行っていないから。



自分の中の汚い感情に、『そばにいる資格なんてない』と気づいてしまった。

そしたら顔を合わせるのもつらくて、会いに行けなくなってしまった。


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