シローせんぱいのこと。





『言うべきだったかなぁ』




もしかして、ブルさん。ねぇ、ブルさん。

この先に、答えがある?ブルさんの思う、わたしがどうするべきだと思うか。

その、答えが。



『わん!』



たどりついたのは、商店街の真ん中にある大きなツリーの飾られた広場。

その真ん中でブルさんが嬉しそうに声をあげ、誰かに駆け寄る。



「……あれ、久しぶり。元気だった?」

『わふっ』



そう優しくブルさんを抱き上げるのは、キラキラと眩しい色の髪をした、あの日と同じ制服を着た男の子。

そう、シローせんぱいだった。



「……シロー、せんぱい……?」


なんで、シローせんぱいがここに……?

ブルさんも、なんでシローせんぱいに……。



あぁ、もしかしてこれがブルさんがくれた答え?

『会って伝えるんだよ』って、言ってくれている?



あっちゃんに、ブルさん。大切なふたつの存在に背中を押されて、わたしはまだ立ち止まるの?

こわいから、傷つくから、だから止まるの?



……ううん、もう逃げない。伝えよう、言おう。大好きなあなたへ。





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