Anghel
滅亡の序曲
500年以上前……

この惑星を襲ったのは、深刻な砂漠化だった。
 
 どう足掻いても地表の約8割が灼熱の黄砂と変わり果ててしまうことが明らかとなった時、政府は大地の補完を目的として、砂漠化してしまった土地から順に基礎を固めて、惑星全体をドーム化することを決断した。
 人々は有害になり過ぎてしまった太陽との決別が計れると賛同し、計画は目まぐるしい速度で実行されていった。

しかし、この計画には穴があった。

人類にとっては画期的なことであったのだが、他の生命体には絶望的なものであったのだ。



当初「大地の補完」を歌っていたが、完璧と思われていた人工太陽では植物の正常な成長は促せず、森は枯れ、草原は朽ちてしまった。
次いで水が干上がり、動物たちがバタバタと死に絶えた。



気が付いた時には、惑星はすでに巨大な無機質のシェルターと化していた。
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