彼氏と思っていいですか?
「あー、食う食う」
「どう?」
「普通にうまい。え、なんで聞くの? もしかしてお前の手作り?」
「ばっ……ちげーよ」
幹仁くんが私の作ったお弁当のおかずを朝陽くんに勧めて、そのあとの反応から察するに、どうやら朝陽くんは食べたらしい。
まさか! まさか! まさか!
私は彼らに背中を向けたまま、恥ずかしいやらうれしいやらで、顔が熱くて堪らない。
諦めていたのに、食べてもらえた!
というかーー恥ずかしいんですけど!!
幹仁くん、それ絶対わざとでしょ!?
私がいるの知ってて、私の気持ちも知っててやったでしょ!?
とにかく興奮を抑えるのに必死で、知らんぷりを貫くのが精一杯で、できることなら机に突っ伏してしまいたかった。