彼氏と思っていいですか?
「うまくいくといいね」
香織ちゃんは言った。
「お弁当まで作ったんだから、紗菜ちゃんの想いが届くといい」
「うわ……」
「え、どうしたの」
顔を腕で覆うと、今度こそ私はテーブルに突っ伏した。
「自分の行動が恥ずかしくなってきた。彼女でもないのにお弁当作っちゃって」
勢いって怖い。流れって怖い。
少しだけ勇気を出したつもりが。
「私、端から見たらただの勘違い女になってない!?」