彼氏と思っていいですか?
なんでこうなっちゃうのかな。
窓から見ているだけならこんな嫌な気持ちにならなかった。
無理だったのかもしれない。ふと、そんなことを思った。
最初から、すべて。
私と朝陽くんとでは、釣り合わなかったんじゃないかな。
私だけが振りまわされて、どきどきしたり、落胆したり。
それでいて朝日くんはなんでもない顔をしているのは、辛い。
少しのことで舞い上がって思い詰める私には、あまりにも違いすぎてついていけない……。
「朝陽くん」
「うん?」
意を決して泣きべそ顔をあげる。そこにあった朝陽くんの視線が思いがけず優しくて、揺らぎそうになった。
ついていけなくても、不釣り合いでも、好き−−。
「私をかわいそうな子だって思っているだけならこんなことしないで。今すぐ離して」
支えているはずの彼のその腕は、私を抱きしめているも同然だった。