彼氏と思っていいですか?
告白された次の日に、幹仁くんには丁重にお断りを入れていた。
わかっているよ、という顔つきで幹仁くんは頷いてくれた。
返る言葉はなかった。
嘘でも、建前でも、返ってこなかった。
彼の本気を表しているようで、彼の想いに対してなにもできない自分が切なくて、でもそれほど純粋な好意を持ってもらえたのが嬉しくもあった。
長身の彼から注がれる視線は、私の意識していない箇所まで見通せているのかな。
だとしたら、ごまかしは一切効かないはずだ。
応えられないならせめて、一番いい私を見てもらえたらいい。
好きになってよかったんだ、そう思ってもらえたら最高だ。