彼氏と思っていいですか?
私は朝陽くんが好きで、朝陽くんも私を好き。
お互いの気持ちは確かめられたものの、そういえば未だに『つきあおう』という話はしていなかった。
午前のプログラムが終了したとのアナウンスが流れ、午後の開始時刻が告げられて、生徒たちは席を離れはじめた。
私は朝陽くんとは違うので、サプライズにはしない。
体育祭当日はお弁当を作ってくるね、と前もって宣言していた。
周囲の音が遠く聞こえる。緊張してるね、私。
私がこのあと誰に声をかけようとしているかを知っている香織ちゃんが、そっと肩に触れる。
「先に行ってるね」