「お前は俺のモノ」【完結】
prologue
「……チュ、パ」
飴玉を舐めさせようと、不躾に突っ込む指を咥えて悦ぶ様な音をわざと出す。
もう、羞恥なんて言葉は私から消え去ってしまった。
ただ、目の前には彼がいて。
その瞳の中には、ぼんやりとした私が映ってて。
…ああ、私ってこんな顔だったっけって、そこでやっと思い出す。
記憶の、どっか片隅にあった私を引っ張りだそうとするけど、それは彼の手によって遮られた。
「…俺の名前を呼べよ」
「……ア、キラ」
途切れ途切れに弱弱しくそう、口にするとアキラは満足そうに微笑む。
この顔はとてつもなく、好きだ。
このグレーがかった優しい瞳に吸い込まれてしまいたい。
何度も何度も思ったんだ。
「…タエ」
「……」
「お前は俺のモノだ」
そう言うと、顔を歪める。
彼はその顔を隠す様に、私に口付けをした。
飴玉を舐めさせようと、不躾に突っ込む指を咥えて悦ぶ様な音をわざと出す。
もう、羞恥なんて言葉は私から消え去ってしまった。
ただ、目の前には彼がいて。
その瞳の中には、ぼんやりとした私が映ってて。
…ああ、私ってこんな顔だったっけって、そこでやっと思い出す。
記憶の、どっか片隅にあった私を引っ張りだそうとするけど、それは彼の手によって遮られた。
「…俺の名前を呼べよ」
「……ア、キラ」
途切れ途切れに弱弱しくそう、口にするとアキラは満足そうに微笑む。
この顔はとてつもなく、好きだ。
このグレーがかった優しい瞳に吸い込まれてしまいたい。
何度も何度も思ったんだ。
「…タエ」
「……」
「お前は俺のモノだ」
そう言うと、顔を歪める。
彼はその顔を隠す様に、私に口付けをした。
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