「お前は俺のモノ」【完結】
……。


自分の気持ちがわからなかった。


彼を最低だって思う。
勝手だし、意地悪だし、横暴だし。

腹立ったりするのに。


私が好きになった彼ではない事は確かなのに。

だけど、この彼も、“アキラ”であって。


そんな彼に、微かに惹かれている自分がいる。


…ペットって思われてて、望みなんてないのにね。

寧ろ、絶望的。
まず論外。そんな存在だってのに。


自分で自分を否定して、悲しくなってくる。

どうせ、本命が出来たらポイっと捨てられるんだ。


そんな事はわかってる。
わかってるけど。


彼色に染められた私は、果たしてその時彼なしで生きていけるのだろうか。
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