「お前は俺のモノ」【完結】
私は怖い。

彼も怖い。

だけど、自分自身が一番怖いんだ。


最初ほど、この状況が嫌ではない自分に。


もちろん、解放してくれるならされたい。
家に帰らなくてもいい。
一人暮らしでもいい。

でも。
そうしたら彼に会えないかもしれないって思うと少し胸が痛む。


この痛みの理由を、私はまだ知りたくなかった。


何もする事がなかったから、彼に寄り添っていたら自然と寝てしまっていたらしく。
目を覚ました時に、私はベッドの上で隣に彼の姿はなかった。


「……」


上半身を起こして部屋を見渡すと、寝る前作業していたまんまだった。
リビングに顔を覗かせるも、彼の姿はない。


…どこかに行ってしまったのだろうか。
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