「お前は俺のモノ」【完結】
彼を起こさない様にベッドから抜けると、冷蔵庫へと向かう。
中からミネラルウォーターを取り出すと、栓を開けて喉へと流し込んだ。


それからソファに座ると、私はレポートを再開する。
カリカリとノートに文字を書き込んでいると、急に携帯の着信が鳴って体がびくって跳ねた。


私の携帯はマナーにしてるから、音は出ない。

って考えたら、彼のモノだ。


それはテーブルの端にあった。

私のモノと同じスマホの画面は上を向いていて、見ようとなんかしてないのにその名前が視界に入る。


“陽子”


ハッキリとその名前が映し出された。


……よう、こ?


目の前が真っ白になるってこういう事なのか。
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