「お前は俺のモノ」【完結】
「いや、えと、大丈夫です」
「……ふーん」
私は慌てて目を逸らして、誤魔化す様にオレンジシャーベットを口に運んだ。
彼の体温が近くに感じるだけで緊張する。
「俺が行っても、タエは寂しくないわけ?」
「………」
私が何も答えられないでいる事が彼は不満そうだ。
寂しいか、寂しくないか。
色々な事を考えずに、その二択だけで考えたら。
……寂しい。
無駄に広いこの部屋で、一人は。
少し、寂しい。
シャリって音を立てシャーベットを口に含む。
「…どうしたら」
「え」
そっと、彼の手が私の髪の毛に触れる。
それから反対の手が私の頬に添えられた。