「お前は俺のモノ」【完結】
(行ってきます)
カバンを持ってから、私は心の中でそう呟くと玄関を後にした。
マンションを出てから、携帯を取り出す。
いつもなら陽子に連絡してるけど。
あの事があってから、どうにも引け目を感じてしまう。
大学行ったら結局話す事になるのに。
少し悩んでから、やっぱり私は陽子にメールを送る事にした。
陽子の事は、好きなんだ。
大好きなんだ。
もしも。
彼と何かあったとしても。
それについて怒ってるんじゃない。
…私に何も言ってくれなかった事が悲しいんだ。
もし、彼と陽子が好き同士で、そんな関係ならば。
邪魔なのは私でしかない。
だから、ちゃんと言って貰いたいんだ。
陽子から言ってもらうのを待とう。
私は陽子を信じたい。
再度、そう決心すると前を向いて足を踏み出した。