「お前は俺のモノ」【完結】
「私も昨日泣きそうになりながらやってたよ」
「あはは。やっぱり?」
「うん。やる時間中々なくって」
「そうなんだ。終わったの?」
「どうにかね」
それから、世間話を始める陽子に耳を傾ける。
それに合わせて頷いて笑う。
ああ、大丈夫。
私、陽子と普通に話せる。
講義が始まると、二人とも教授を見てノートを取った。
暫くした後、突然バタンと教室の扉が開く。
それに教室中の皆が注目する。
そこに立ってたのは。
……アキラだ。
ぐるっと教室を見渡す彼と、ばっちし目が合ったけど私は咄嗟に体を隠す。
ツカツカと鳴る彼の足音が、どんどん私に近付くのがわかる。