「お前は俺のモノ」【完結】
「…何で勝手に出て行く?」
怒気を含んだ声で、静かに彼は尋ねる。
彼の瞳が、私を捉えて離さない。
改めて、彼が怖いと思った。
背筋に変な汗をかいている。
私の答えを待つ彼の目は変わらず鋭い。
「…ね、寝て、たから」
震える声で、どうにかそう絞り出す。
「だから?」
「………」
だけど、その答えは一言で一蹴された。
「お前、わかってんの?
自由、ないんだけど」
「………」
「お前は俺のペット。
俺はご主人様。
勝手に主人の元から離れようとするなら、首輪つけるよ?」
「!!」
不敵に微笑むと、彼は冷たくそう言い放つ。
……首輪って。