「お前は俺のモノ」【完結】

車に乗り込むと、彼は発進させる。
いつもなら、絶対乗った後にキスして来るのに。

そういえば、今日はソファで寝てた。


こんな勝手な私はいらないかな。

もっと、従順で可愛いペットなんているはずなんだから。


どこかに連れて行かれるかと思ったけど、真っ直ぐに自宅へと戻って来た。

車を停めてからも、彼は黙ったまま。
何も言わずに一人で中へと入る。


さっき、痛いほど掴まれた腕。
赤くなってる。

そこをぎゅうっと握ると、私は彼に付いて行く。


部屋に入ってから、鍵を乱暴に置くと彼はボスンっと音を立ててソファへと座る。


私はと言うと。


初めてこの部屋に来た時みたいに、何も言えず立ち尽くしていた。


そんな私を見上げると、彼は低い声で

「座れよ」

そう言った。


コクンと頷くと、彼の隣に座る。


だけど。
< 130 / 254 >

この作品をシェア

pagetop