「お前は俺のモノ」【完結】
車に乗り込むと、彼は発進させる。
いつもなら、絶対乗った後にキスして来るのに。
そういえば、今日はソファで寝てた。
こんな勝手な私はいらないかな。
もっと、従順で可愛いペットなんているはずなんだから。
どこかに連れて行かれるかと思ったけど、真っ直ぐに自宅へと戻って来た。
車を停めてからも、彼は黙ったまま。
何も言わずに一人で中へと入る。
さっき、痛いほど掴まれた腕。
赤くなってる。
そこをぎゅうっと握ると、私は彼に付いて行く。
部屋に入ってから、鍵を乱暴に置くと彼はボスンっと音を立ててソファへと座る。
私はと言うと。
初めてこの部屋に来た時みたいに、何も言えず立ち尽くしていた。
そんな私を見上げると、彼は低い声で
「座れよ」
そう言った。
コクンと頷くと、彼の隣に座る。
だけど。