「お前は俺のモノ」【完結】

「違う、お前あっち座れ」


そうやって指した場所は、私が初めてここに来た時に座った場所。


突き放された。
俺の、隣に来るなって言われたんだよね。これは。


……私、予想以上にショックを受けてる。

ここまで怒らせてしまったんだ。



捨てられるかもしれない。

私なんか要らないって。


捨てられたら、私はどうやって生きたらいいの?


一人で、生きるの?


「早く、そこどいて」


また冷たく言われて、私は腰を浮かす。

指定された場所に座った時に、我慢出来ずに涙がぽろっと零れた。


それをきっかけに。

涙が溢れだす。


「……っ」


泣いた姿なんか見せたくない。
泣き声をあげない様に、肩を震わす。


だけど、そうさせてくれないのはやっぱり彼だ。
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