「お前は俺のモノ」【完結】
「金なくなったら連絡して。そしたら渡すわ」
「………アキラは、どこに」
「え?あ、うん。女のとこ」
「………」
そうやって、平然と言う彼。
ショックなんて受けない。
解ってた。
解り切ってた。
……だけど、面と向かって言われるとやっぱりきついよ。
私は、貴方のモノじゃなかったの?
違うの?
なのに、自由に出歩いてもいいの?
たくさん聞きたい事があるのに、全てが言葉にならない。
声が嗚咽に飲み込まれて行く。
「大学で会っても俺、話しかけないから」
「………」
「それじゃ」
俯く私の事なんかお構い無しに、彼は玄関へと向かった。
無機質な扉の閉まる音が部屋に響く。