「お前は俺のモノ」【完結】
抑えきれなくなった嗚咽は声になって溢れ出す。
「う、ああああ」
ぎゅうっと締め付ける胸。
痛くて、どうしようもない。
どれだけ泣いてたかわからない。
やっと涙も尽きたのか、ぼーっと自分の携帯を見た。
あ。大学始まってる。
ふらふらと立ち上がると、私は浴室へと向かう。
大学行かないと。
きっと、陽子が心配する。
ああ、でも何も話したくないな。
レポート今日提出だったよな。
完成させておいてよかった。
どこか、ふわふわと浮いた感覚で準備をする。
現実ではないみたいだ。
あまりにもショックで、現実逃避してるのかも。
合い鍵で施錠すると、私は大学へと向かう。
いつもの位置には既に陽子がいた。
既に講義は始まっていたから、静かにその隣に座った。
陽子は私の顔を見て、目を真ん丸にして驚いている。