「お前は俺のモノ」【完結】
「多恵ちゃん、行こう」
「……ちょっと、葵兄と二人にして貰えますか?」
「え」
雅人さんが私を連れて行こうとしたけど、私はそれを断る様に言った。
驚いていたのは、雅人さんだけじゃない。
葵兄もだ。
「ん、それじゃ先に控室にいるよ。さー行くよ、マー坊」
何か言いたそうな雅人さんの肩を抱くと、そのまま強引に章吾さんが連れてってくれた。
残された私と葵兄。
「…外に行こうか」
「うん」
そう言う葵兄の後をついて行く。
裏口に出ると、私と葵兄はしゃがみ込む。
それから、私はぽつりぽつりと話し出した。