「お前は俺のモノ」【完結】

「…わかった。俺も少し心配し過ぎたかも。
明日、家で待ってるからいつでも来ていいよ」

「わかった!」


私が満面の笑みを向けると、葵兄もにっこりと微笑んでくれた。


「さ。それじゃ行くか。そろそろ出番だろ?」

「だね」

「ん」


先に立ち上がった葵兄が、私に手を差し伸べる。
その手を握ると、私も立ち上がった。


「よしっ!終わったら飯行こーな!」

「うん!」


笑い合うと、控室にいる二人の元へと向かう。
仲直りしてる私と葵兄を見て、二人はホッとしていた。


「全く。ヒヤヒヤしちったよ!俺は本当に!」

「多恵ちゃんと葵が喧嘩とか、珍しいモンねえ」

「心配かけてすみません」


謝る私の背中を雅人さんがバンバンと叩く。
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