「お前は俺のモノ」【完結】
「あっはは、謝る必要ないって。
今日のライブ、楽しもうな!」
「はいっ」
「あの、そろそろお願いします」
笑い合う私達の後ろから、そう声がかかる。
それに返事をして、私達はステージへ向かった。
それなりに入ってる会場。
ステージに上がると、いつも緊張する。
だけど、最高に好きな場所。
私はしっかりとマイクを握る。
雅人さん、章吾さん。そして、葵兄。
三人の顔を見て頷き合う。
雅人さんのドラムの音。
それに合わせて、章吾さんと葵兄が弦を弾く。
私はスゥっと息を吸うと、言葉を音に乗せた。
私達の歌のリズムに合わせて、観客が揺れる。