「お前は俺のモノ」【完結】
「大丈夫か」
私の顔を見て、安堵の表情を浮かべる。
「…あ、おい、にぃとよう、こは」
「タエは心配するな」
確かにさっきまで二人が外にいた筈なのに、静かになっている。
アキラは私の隣に座ると、ぎゅうっと抱き締めた。
私を安心させる様に、優しく頭を撫でる。
「……絶対扉は開けるなよ。何があっても」
「うん」
「…放したくない。お前を手放す気なんてないんだ、俺には」
「……うん」
「悪い、少しだけ出て来る。ちょっとだけ待ってろ。
すぐに終わらせるから」
「………」
その顔が酷く怖くて、何をして来るのかなんてとてもじゃないけど聞けなかった。
一度、私の頭を撫でてから彼は外に出る。