「お前は俺のモノ」【完結】
「や、やめて!!」
「……こいつを庇うのかよ?」
「私はアキラの側から離れないから!!
だから、やめて!!!」
必死に腕を掴んで離そうとするけど、アキラの力が強くてどうにも出来ない。
「……た、え」
声が出ない葵兄が、そう呟く。
「お願いっ、お願い、アキラっ」
私の目からはポロポロと涙が溢れ出る。
アキラは涙を零す私の顔を見て、やっとその手を緩めた。
解放されて咳き込む葵兄の体を私は支える。
「ゴホッ、ゴホ、はっ」
「葵兄、葵兄っ、大丈夫?」
「……、はあ、…平気」
安心させようと、ニコッと葵兄が微笑む。
まだ辛そうだけど、ホッとした。