「お前は俺のモノ」【完結】
「多恵!そんな男から離れな!」
「タエは誰にも渡さない」
「…っ、あんたのしてるのは…身勝手な押し付けよ!
好きだからって何してもいいと思ってるの!?」
「……お前には関係ない」
二人の話している事が理解出来ない。
何を、言ってるの?
やっと落ち着いたのか、葵兄が立ち上がると陽子の隣に立って口を開く。
「…好きなら、どうして、多恵の幸せを考えてあげないんだ」
好きって。
誰が、誰を?
「金で、買ったって。
それで多恵を縛ってていいはずないだろ!」
「……」
葵兄がアキラが私をお金で買った事を知っていた。
…わけが分からない事ばかり。