「お前は俺のモノ」【完結】
「多恵…そんなに痩せて、色も白くなって…。
なあ、それでいいのかよ、お前は」
アキラの手が私の腕をぎゅっと掴む。
何も、アキラは言わない。
口を噤んで、二人を睨む様に見ているだけ。
「多恵は?
なあ、本当に…幸せなのかよ…」
葵兄が私に問いかける。
だけど、その答えは決まってる。
「…葵兄。…陽子。
私は…幸せだよ?」
何で二人とも、そんな顔で見るの?
私はアキラと一緒にいられて幸せなんだ。
「……だってさ。
彬さん…多恵は…簡単に離れて行く様な子じゃないよ。
裏切る様な子でもない。
それは私が保障する」
「俺もそれは保障する。
多恵は大切な人を大事に出来る子だから。
一番近くで…見て来たから」
その言葉を聞いて。
やっと、アキラが気持ちを吐露し始めた。
初めて聞く、アキラの想い。