「お前は俺のモノ」【完結】
あれから、陽子と葵兄を部屋に入れて私は詳しく話を聞いた。
最初は部屋に入れるのを拒んでたアキラだったけど、陽子と葵兄と三人で会うよりかはいいでしょ?っていう言葉に折れた。
やっぱり葵兄と外で会うのは嫌らしい。
リビングに向かい合わせで座ると、陽子が目線を彷徨わせながら口を開く。
「…多恵が、買われたって聞いてから…。
私、許せなくて、直接彬さんに言いに行ったんだ」
「…え」
「最初はまだ猫かぶってたんだけどね。
どうにか多恵から彬さんを離せないかなってずっと考えてた」
そこで、アキラが冷めた目で陽子に言う。
「酷かったな、あのお前は」
「まあね。キャピキャピしてみたから」
その姿が私には容易に想像つく。