「お前は俺のモノ」【完結】
だけど、私はなりふり構ってらんなかったんだ。
順序とかそんなの気にしてたら、アキラが私の元からいなくなってしまいそうだったから。
「情報交換してた。そこで、多恵の家庭の事情を知った。
きっと、話そうとしてくれたのはこの事だよな?」
ライブの次の日、本当は話す予定だった。
葵兄に全部話すつもりだった。
アキラが好きだって事も。
ゆっくりと頷くと、葵兄が微笑む。
「本当によかった、多恵が無事で」
「……話は終わった?」
ずっと黙ってたアキラが、憮然とした表情でそう言った。