「お前は俺のモノ」【完結】
彼は本当に凄い人だって、つくづく思う。
容姿端麗、眉目秀麗。
将来も約束されている。
って話をこないだ聞いた。
ピアノが弾けるだけでも凄いのに、譜面なしでも大丈夫だなんて。
どうして私を好きなのか、たまにわからなくなる。
私には勿体ないぐらいで、釣り合わない。
そんな話を陽子にしたら、あんな男とうまくやれんの多恵ぐらいだって!って笑われた。
…そうなのかな。
私はそう思えないけど、陽子が言うならそうなのかもしれない。
私と交際してから、アキラは女の子と余り話さなくなった。
意図的に、っていうわけでなく、話したくないらしい。
彼の態度を見ると、そう取れる。