「お前は俺のモノ」【完結】
「……これをライブで初めて聞いた時。
余りにも楽しそうに歌ってるから…ぐちゃぐちゃにしたかった」
「……」
「思えば、あの時にはもう俺はタエが欲しかったのかもしれない」
「……そ、んな」
「信じらんない?だよな。俺も信じらんない」
丸々一曲、弾き終えるとアキラは優しい瞳で私を見つめた。
アキラの顔が、涙でぼやける。
クスクスと笑いながら、私の頬に伝う涙を手で掬う。
「最初から、俺とタエは惹かれ合う運命だったって事」
そっと、顔を近付けて私にキスをする。
優しくて、甘くて、溶けてしまいそうなキス。