「お前は俺のモノ」【完結】
「入れ」
「………」
それに返事をせずに、私は室内へと足を踏み入れた。
中は想像してたよりも広くて、綺麗で。
殺風景だった。
何もない。
でっかい観葉植物と、黒い革張りソファとテーブル。
テレビとかもないし。
無駄にだだっ広いリビングに、それだけ。
まだ部屋あるし。
寝室とかかな。
そのソファにボスンと腰を下ろすと、彼は息をつく。
それから、ぼーっと突っ立っている私の方を向いて
「座れ」
そう一言発した。
…何で一々命令口調なんだろう。
本当に。
だけど、逆らう事も出来ない私はソファに座らず、床に座った。
そんな私を見て
「…何でそこなんだよ。俺の隣だろ?」
機嫌悪そうに彼は言った。