「お前は俺のモノ」【完結】
「ふうん。払えるわけ?
…借金5千万だよ?それに利子やらなんやら含めたら一億はあるね」
「いっ、…」
思ってもない金額に、私は耳を疑った。
精々、数百万だと思ってたのに。
「自己破産しようとしてたとこを、俺が救ってやったの」
「………」
「俺は感謝して貰いたいぐらいだけど?」
「………っ」
悔しくて、唇を噛み締める。
両親は、私を騙してたんだ。
だから、何も言ってないって言ってたんだ。
普通なら、私との結婚なんて嫌がるはずなのに。
話がおかしかったのはわかってた。
「これから、お前に自由はない」
「………」
怒りやら、悔しさやら、悲しさやらでぐちゃぐちゃだ。
涙なんてこいつに見せたくないのに。
なのに、溢れてくる。
そんな私を見てもなお、彼は嬉々としていた。