「お前は俺のモノ」【完結】
ただ、ただ。
涙が溢れ出るだけ。
どれだけ、そうしていたのかはわからない。
やっと、唇を彼が離したと思ったら
「…お前は俺だけ見てたらいいんだよ」
そう、言ってまた唇を塞ぐ。
それから、私は強引に彼に何度も、何度も抱かれた。
朝まで、丸々。
初めてなのに、優しさの欠片もない。
愛すらない。
ただ、痛みしかないそれ。
早く、終わって。
それしか思えなかった。
昨日の、家に帰るまでは彼に淡い恋心を抱いていたのに。