「お前は俺のモノ」【完結】
反応を楽しんでるんだってわかってる。
だけど、家に帰りたい。
たった、一日だけど。
これからずっとこうしてここにいるのかって思ったら、怖くて仕方ない。
「どうしよっかな」
「……お願いします」
「ふふ、じゃあね。
俺にキスして」
「そ、んなの」
「無理?なら、帰さない」
彼は終始、ニコニコしてる。
ああ、遠くから見てたこの微笑み。
だけど、これは面白くて笑ってたんじゃなかったんだ。
「……」
恥ずかしさを堪えながら、私は彼の顔に自分の顔を近付ける。
どうせなら目でも閉じてくれたらいいのに。
彼はそんな事しない。
恥ずかしがってる私を見て、喜んでるんだ。
ちゅっと、一回唇に触れる。
「これで、いいです…っ!!!」
全部言い終わる前に、彼が私に覆い被さった。