「お前は俺のモノ」【完結】
「あの…ありがとうございました」
「何が?」
「…荷物」
「ああ」
彼は一度、私をちらっと見るとそれだけ発してそれ以上は何も言わなかった。
愛着あるモノってあるし、それを急に失うのは辛い。
だから、それらを持って来れたのは正直に嬉しかった。
それで、彼に感謝してしまってる時点でおかしいのだけど。
私はそんな事にも気付いていなかった。
一度荷物を置きに彼の家に戻ってから、私達は大学に向かう。
大学に到着した後、彼を見ると彼は私に近付く。
それから、腰に手を回して歩こうとした。