「お前は俺のモノ」【完結】
Inconvenient
大学内を進んで行くと、彼は直ぐに声をかけられていた。
私を見て、ぎょっとしてたり、訝しげな顔をしてたり。
女の子達は誰?って感じで、睨んでたりするし。
とにかく、落ち着かない。
「あ、彬」
そうやって、彼に話しかけて来たのはミスコンでグランプリを取った人。
錦戸梓だ。
髪の毛、サラサラで、顔もこれでもかって程ちっちゃい。
肌も透き通る様で、パーツ全てが小さい。
なのに、どうしてだか、目はぱっちりしている。
…神様、不公平だ。
そんな彼女をぼーっと見つめていると、私を見てくすっと笑った。