「お前は俺のモノ」【完結】
お金持ちで、容姿端麗、眉目秀才。
彼に不足しているモノなんてない様に思えた。
こんなだから、彼はもちろんモテる。
彼の周りには、同じ様にレベルの高い女の人が集まっていた。
そんな人達の中に入れるわけなく、私と陽子は遠巻きに見てるだけ。
でも、私は陽子とか、他の女子みたいに容姿や地位に惚れたわけじゃない。
ここに入学してすぐだった。
彼は本当に有名人だったから、噂はすぐに耳に入った。
まあ、代表挨拶してたから顔を知ったってのもある。
「本当に多恵って興味ないよね。
何で!?あんなカッコいいし、完璧なのに!」
「…あはは」
完璧すぎるから、同じ人間と思えないと言うか。
私とは次元が違うと言うか。
芸能人に近いじゃん。
あそこまで完璧だと。
私と陽子は席につくと、溜め息を一つつく。