「お前は俺のモノ」【完結】
ネイルとかも完璧にしてて、スタイルがよく見えるワンピースに身を包む彼女。
それと打って変わって、オーバーオールに、彼のダボダボのパーカー。
…だらしなくて、一緒の土俵にすら上がってない。
そんな事を考えてたら、すっと腰に回されていた手が離された。
急になくなった温度に、目を真ん丸にして彼を見上げる。
「お前、俺が終わるまで帰るなよ。
車の前で待っておけ」
そう言って、私を置いて彼女とさっさとどっかへ行ってしまった。
去り際、梓さんは私を見ると勝ち誇った笑みを向ける。
……あんたなんか、お似合いじゃないのよって。
そう、目で言われた気がした。