「お前は俺のモノ」【完結】
くるっと振り向くと、私に近付く。
思わず身構えると、彼は私の目の前にしゃがんだ。
目線を揃えると、私の顔をじっと見つめる。
端整な彼の顔に、心臓が変な音を立てた。
「…何で?」
「いや、洋服とか買いたいし…自分で稼いだりしたいし」
「お金が欲しいなら俺がやる。
何か欲しいなら買ってやる。
お前は俺と一緒じゃなきゃ外に出たらダメだ」
「……どうして、外に出ちゃダメなの?」
「逃げるから」
「…ペット、だから?」
「……そうだ」
表情を変えずに、彼はそう言うと私の唇にちゅっとキスをする。
私の頬を両手で掴むと、再度口付けを落とした。
自然と、私は目を閉じる。