「お前は俺のモノ」【完結】
「だってさ、幼馴染なんでしょ?
羨ましいよ、あんな幼馴染欲しい」
「…葵兄の事?
カッコいいかなあ?もう、小さな時から一緒にいるからカッコいいとか思わないな」
「贅沢だ。贅沢過ぎる」
箸をぶんぶんと振りながら、陽子は熱弁している。
私がいかに恵まれた環境にいるかまで。
いや、そう言われても。
本当に葵兄は、恋愛対象として見た事ないし。
いつまでも私の良き理解者で、優しいお兄ちゃんだし。
「私にもそんな出会い欲しい。運命の人は実は身近な人でした説。
うん、理想。それ、理想」
「あはは。別に陽子モテるじゃん」
「…まあねえ」