「お前は俺のモノ」【完結】
何しよう。
携帯をいじろうにも、彼の番号以外まっさらだ。
…あ。
陽子の番号。
ポケットに突っこんでいた紙を取り出すと、私はそれを打ち込んで行く。
使い勝手の違う携帯に苦戦しながらも、私はどうにか陽子へとメールを送る事に成功した。
【陽子?多恵だよ。番号は…080********】
それを送ってから、すぐに携帯が震える。
陽子からの着信だ。
「もしもし」
「多恵!?」
聞き慣れた声にホッとした。
「うん、多恵」
「ああ、よかった!本当に吃驚したんだからね!!」
陽子は矢継ぎ早に言葉を紡ぐ。
私はそれを聞き取るのに精一杯だ。